宇宙飛行士選抜試験に落ちた日

2022年5月20日(金)

今日は、JAXAによる宇宙飛行士選抜試験の0次の英語試験の発表日。

残念ながら通過できなかった。

 

来週の5月29日(日)には、英語試験合格者による、適性試験、一般教養、小論文、STEM試験の予定だった。英語の試験は5月8日(日)で、翌日9日からは次の試験に向けた勉強を励んでいたところだった。

そもそも、応募総数4千人のテストで合格は数名だから、落ちるのが当たり前のテストではあるが、英語で落とされるとは思っていなかった。

 

あれは去年の2021年12月20日(月)の朝だった。いつもはNHKのニュースを見る習慣だが、なぜかその日はフジテレビだった。占いランキングで私の星座である「かに座」が1位で、そのコメントは「来年やりたいことが見つかりそう、具体的なイメージを膨らまそう」だった。でも、その日はテレワークの日、特に重要な打ち合わせもなく、淡々と時間が過ぎ業務終了。そのまま夕食の準備をして夜の7時のNHKニュースを見始めると、JAXAが宇宙飛行士の募集開始とのこと。都合よく、朝の占いと宇宙飛行士を結びつけて、「これは、俺のことを言っているに違いない」とその気になり、週末には古本屋で公務員試験の問題集を購入。その日から、今まで何年も続けたスマホゲーム(パワプロ)を止めて、勉強を少しずつ開始。

 3月初めに、一般教養は一通り目を通したところで、英語試験に集中しなければいけないと気づき、英会話ができるように頑張っていた勉強を、テスト勉強に切り替える。と言っても、どんな試験かわからない。時間を見ると3時間のテスト。これは、TOEICではなく、英検に近いのではと考え、英検準1級が受かるくらいを目指すことにする。最大の難関はライティング。今まで勉強を避けてきた部分。問題集を購入し、ひたすら回答を毎日タイピングする事を開始。途中からは、リスニング、リーディングの意味でTOEICも勉強を開始。

 英語の試験対策を開始する際に、CASECを3,4、5月と受けて、試験対策がうまくいった自信をつけることにする。3月は615点(TOEIC換算570点)。ちょっとショックだった。10年のブランクがあるにせよ、この数カ月の英語勉強の成果が出ていなかった。試験対策に特化して1か月後の4月はCASEC643点(TOEIC換算620点)。ちょっと上がったけど、宇宙飛行士になることを考えたらまだまだ。

最低でもTOEICで700点レベル以上は必要だとのtwitterなどのコメントを見て焦る。

 4月22日(金)宇宙飛行士選抜試験の書類審査の結果発表。合格。健康診断の結果だけなので、大抵の人が合格するものと思っていたら約半分は不合格。これをみて社会人になって最高のモチベーションで勉強を開始。ゴールデンウィークは、飛び石になっている部分は休暇を取って10連休とし、最終日の5月8日の試験を迎える。CASECは、次の英語面談までとっておくことにした。

 5月8日の試験、前半は思ったより出来た。後半は思ったよりは出来なかった。手ごたえは微妙な感じだった。でも、次の試験は29日に決まっていて、英語の発表後に準備をしたのでは間に合わないので、次の日からは公務員試験対策のような勉強を開始。1日100ページで1科目、小論文対策を1つを最低ノルマとして2週間が経過。

 そして、今日5月20日(金)14時3分運命のメール。会社でスマホをいじって、HPにアクセスし結果を確認。「残念ながら・・・」の文言。

 思った以上に喪失感があった。妻にも特にこの1か月は勉強最優先で迷惑をかけた、参考書や問題集を購入し金も使った。テストの出来栄えの感触は良くなかったが、それでも受かるかもという期待が大きく、宇宙飛行士に選ばれて記者会見や、会社の人事への説明、アメリカでの暮らし、訓練ジェット機の搭乗、月面に日本人第一号で降り立つときのコメントなど、たくさんの夢を見たが、それも今日でお仕舞い。

 英語の試験が出来なかったと言っても、書類審査合格後の3週間は、これまでやったことがないほどに勉強をした。どのくらい力がついていたのか、残しておいたCASECをさっき受験したらCASEC715点(TOEIC換算750点)と過去最高点だった。今日のCASECの感触は、宇宙飛行士の英語試験と似たような感じだったことから、勉強の成果はあったし、結果も過去最高に近しいものだったに違いない。しかし、宇宙飛行士はその上を行くということだろう。

 出来れば英語は合格したかった。次の一般教養の合格発表は1カ月後になるので、そうすると結果はわからなくても、その次にある一次試験対策として、体力づくり、英会話を開始する予定だった。体力づくりは妻と一緒にやることになっていたので、これまでの迷惑を挽回できるチャンスだった。今日落ちてしまったことで、勉強も体力づくりもする必要がなくなってしまい、何より妻と一緒に宇宙飛行士の夢を語ることが出来なくなってしまった。「あなたは頭いい」「すごい」「大丈夫」といろいろと励ましてくれたし、勉強の邪魔は一切しなかった。本当にありがたい。

 

 50歳にして初の宇宙飛行士への挑戦は終わってしまったが、次のチャンス(宇宙飛行士だけでなく)をつかむべく英語の勉強を開始し、秋の2次試験の時期にはペラペラになることを目指す。その決意表明として、本日よりこのブログを立ち上げる。