銀行を退職

今月末を持って、28年務めた銀行を退職し、現在出向中である会社に転籍となる。

28年も務めたが、送別会もなくあっさりした形で終了した。

思えば、入行店からの初の異動は入行店が統廃合の混乱の渦中の異動、将来的に閉鎖が決まっている営業店から本部への異動は支店としては少人数の店からの異動、そしてコロナ渦での出向への異動は飲み会は無くWEB会議で形式的な挨拶のみと、そもそも銀行なのに異動が少なかったが、異動の際、大勢を前にした挨拶や記念品の贈答みたいなセレモニーとは縁の無い銀行員人生だった。

 

今日は、一応所属先となっている部に人数分のお菓子と、直接事務を担当してくれていた女性に別口で小さいお菓子を持っていき、最後の書類を提出してきた。中に入って挨拶されてはと言っていただいたが遠慮してきた。今日が銀行の中に入る最後の日ではあるが、出向者の自分にとっては所属先の部は殆ど知らない人であり、気を遣わせるのが悪いとも思った。

 

その女性への挨拶を終え、建物を出た瞬間、これで銀行員では無くなったのかなとも思ったが、元々出向して最後の3年間は銀行に殆ど行ってなかったこともあり、今日と明日で自分の生活は変わらないのであまり実感はない。ただ、3月に入り、銀行と今度の勤務先とでそれぞれ書類の手続きが始まり、かたや退職、かたや就職という慌ただしさがあり、書類上も銀行員でなくなるんだなぁとは思っている。

 

銀行では冷や飯を食わされた28年だったが、世の中の平均賃金や退職金を大きく上回るお金をもらえた。銀行の中で比べてしまうと出世した同期や年の近い先輩後輩には遠く及ばないが、肉屋の息子にしては上出来だと思う。また、長く務めたことで、次の先では金融のプロとの扱いで、管理職からスタート出来る。終わり良ければ全てよしと考えることにしよう。